
日本で新型コロナ「第4波」が急拡大するなか、ゴールデンウィーク前に東京・大阪などの4都道府県で3度目の緊急事態宣言が発令され、その後他都道府県にも緊急事態宣言が広がり、それ以外にもまん延防止等重点措置を実施する地域も広がる5月半ば、6月初めからの日本出張が決まりました。
以前から日本出張の話は出ていたのですが、新型コロナの影響で延び延びとなっており、早くても秋頃かと思っていたのですが、お客である米国企業からの強い要望もあり、日本での新規感染者数がステージ4(爆発的感染拡大)となり、流行「第4波」が衰えない状況下での不安を抱えながらの日本出張となりました。
出発準備
航空券・ホテル手配
既に出発迄約2週間しかなく、慌てて航空券の購入や、日本入国後2週間の自主隔離期間中のホテルも含め、日本での滞在期間約1ヶ月間のホテルの手配を行いましたが、出発まで2週間を切っているせいもあり、
(ガラガラなのに)航空券が異常に高い・・・
SFO (サンフランシスコ)ーTYO (羽田・成田)は、直行便だと格安エコノミーでも$2,400+、乗継便だと$1,090+からありましたが、欧州やカナダのバンクーバー経由で、トータル時間25時間や30時間と現実的なフライトでなく、仕方がなくSFO―NRTの航空券$2,433を購入しました。


昨年を除き過去15年間程平均年3〜4回程SFO-TYOを毎回格安エコノミーで飛んでいますが、繁忙期や直前の航空券購入を含めても、エコノミーチケットでここ迄高かったのは初めでです。

僕も以前にソウルや台北経由で帰国した時あるけど、コロナ禍でそのようなフライトもないみたいだね・・・
一方で、日本国内のホテルがかなり安いです。
例えば、東京で私が出張時に度々泊まる品川プリンスホテルは、全て込みで1泊7,000円(本館ツインルーム素泊まり)。時期や曜日によっても違いますが、今までですと1万円を切ることはなく、週末ですと2万円近くになっていたので、かなりお安いです。
また、本来でしたらこの時期外国からの訪問客で賑わう京都のホテルですが、都ホテル京都八条は1泊6,750円(シングルルーム素泊まり)とこちらもかなり安い印象です。ちなみに、現在成田空港近くの自主隔離している米系ホテルは、14泊の朝食込みで85,600円と1泊あたり約6,100円です。おまけに、大阪で泊まるビジネスホテルは、何と朝食込みで1泊3000円と、逆に心配になってしまう程の安さです。
日本入国に必要な書類・アプリ
水際対策として日本入国規制が厳しくなっているとの話をニュースで聞いていましたが、実際に何を事前に準備する必要があるかをネットで調べたところ、厚生労働省の「水際対策に係る新たな措置について」に詳しくまとめられておりました。
それによると、必要なのは、
陰性証明書 (検査証明書)
U.S. Department of Health & Human Services のサイトで見つけた、近所のドラッグストアのWalgreensCOVID-19検査について聞きに確認しに行ったところ、ドライブスルータイプのCOVID-19検査 (PCR検査) を無償で実施しているが、結果が分かるまで48時間〜72時間かかり、しかも厚生労働省の所定フォーマット記載・サインは不可とのことで断念。
店舗によっては「Abbott ID NOW」と言う、試験結果が24時間以内に分かるRAPID Testを実施しているとのことでしたが、何れにしても、「Walgreensでは指定フォーマットでの発行、または記載はしない」とのことでした。
SFの日本総領事館のサイトでも紹介されている、検査証明書の翻訳サービス($50)を利用して、Walgreensでの無償でCOVID-19検査を受け、その結果をTamayura LLC/Kobayashi Clinicで厚生労働省の所定の検査証明書フォーマットで作成してもらうことも考えましたが、テスト結果を送付したりするのも少々面倒と感じ、COVID-19検査と所定フォーマットで検査結果作成の両方をしてくれる施設・クリニックを探すことにしました。

今はKobayashi ClinicでCOVID-19テストを受けて、Tamayura LLCで陰性証明書も発行まで30分程度でできるとなっているね・・・
ウェブでCOVID-19 Test、International Travel等のキーワードでググったところ、GoHealthと言うUrgent CareにてCOVID-19検査を提供しており、PCR検査だけでなく、15分で試験結果がでるRAPID Testも提供しているとのこと。
GoHealthはサンフランシスコ空港 (SFO) 内にもクリニックがあり、SFOのGoHealthでCOVID-19検査(RAPID Test)を受けて、その陰性結果にて当日直ぐに国際線搭乗する人も沢山いるそうです。Walk-inもOKですが、事前予約もできるようです。
SFO内にもあるのなら、日本入国用の検査としても問題ないであろうとGoHealthを候補として、但し、出発当日の検査だと万一何か問題があった場合に飛行機を乗り遅れたりするリスクもあることから、SFOでの当日検査は避け、SF Bay Areaに8箇所あるGoHealthのUrgent Careクリニックから、Redwood Cityにあるクリニックを選びました。
厚生労働省の所定フォーマットでの陰性証明書発行と検査費用に関して、事前にオンラインチャットにて確認したところ、
GoHealthは、SFOでの検査を除いては、COVID-19検査の予約をするにあたり、先ずは「Virtual Evaluation」として、ビデオ電話で問診を受ける必要があります。
問診は、COVID-19検査の目的(私の場合は日本への入国用)、熱や咳等のCOVID-19の症状があるか等のCOVID-19関連の質問に加えて、通常病院に行った時の問診にある現在使用している薬、病気の履歴、家族の病気履歴等を聞かれました。
全てウェブ上でも回答できる形式だけの質問で、しかも最初にナースによる問診、そしてその後医師によるCOVID-19試験の説明がありました。おまけに、最初音声だけで顔出しをしていなかったのですが、「Evaluationなので顔を出すように」とまで言われる始末。
面倒ではありますが、この問診時にこちらからも質問できるので便利と言えば便利、私も再度日本への入国に必要な厚生労働省指定のフォーマットへの記載対応可否、医師の署名も必要な旨を伝えたところ、全て対応可能であるので、所定のフォーマットに事前に本人で記載が可能な氏名、生年月日、Passport#等を記載の上、所定フォーマットを持参するようにとの指示を受けました。
他には、当たり前の話ですが、運転免許書やPassport等の政府機関発行のIDを持ってくるようにとの指示もありました。
また、検査はドライブスルー方式で、問診、検査、書類授受の全てが車の中で行われるとの説明があり、問診から検査、そして陰性証明書作成も含めて15~20分程度で終わるとのこと。
そして、肝心の検査の予約もその場で行い、私は出発が6月2日 (水)だったので、万一フライトキャンセルが起こって翌日出発になるようなことがあっても良いように、2日 (48時間)前の5月31日 (月)のMemorial DayにCOVID-19検査を予約。
GoHealthはUrgent Careなので24/7営業しているので、Memorial Dayでも検査が可能、そして万一何かあってもいつでも連絡でき、これもGoHealthを選択した理由のひとつです。
COVID-19の検査証明書の不備で日本入国できずに、出発国へ返されるケースもあるとのニュースも聞いていたので、検査証明書の不備が起こらないようにネット等で調べたところ、以下のような厚生労働省のサイトで、書類不備防止のために検査・記載ポイントを説明してくれております。
注意しておいた方が良いポイントは、
COVID−19検査
予約を入れた5月31日(月)のMemorial Day、GoHealthを訪問する前に、先日の問診の際の指示に従い、本人が事前に記載できる箇所、つまり以下の部分を記載した厚生労働省の検査証明書とPassportと携行しました。

GoHealthに車で到着すると、予約を取っていたにも拘わらず4台の車が並んでおりましたが、ギリギリCOIVID-19検査用の駐車スペース内に並ぶことができました。
一方で、私の後から来た車は駐車スペースが足りずに、メイン道路にはみ出して並ばざるを得ず、時々クラクションを鳴らされるておりました。Memorial Dayの朝で交通量が少なかったので、特に問題とはなっておりませんでしたが、平日だと少し問題になるでは?と感じました。
恐らく実際のナースの方なのでしょうが、検体を取得される方はマスクやフェースシールドはもちろん、全身を覆う医療用ガウンも着て完全防備をしておりました。

コロナの症状を疑って検査に来ている人も多いだろうから、完全防備は必須だよね・・・ 医療従事者の方には本当に頭が下がるね・・・



右上の写真のように、順番になるとナースの方が車までやって来て、車の窓を開けて問診、そして両方の鼻腔に綿棒を入れ、それをぐるっと回して検体の採取が行われました。また、この時に持参した厚生労働省の所定フォーマットとPassportも渡して車の中で待つこと約15分、
担当ナースが再度車まで来て、GoHealthの検査証明書に加えて、プラスで依頼した厚生労働省の所定フォーマット、そしてPassportを返却にしてくれ、「You are all set」とのことで、陰性だったようです。
直ぐに中身を確認しNegativeの文字に安心しつつも、検査証明書の記載に不備が無いか素早く確認しましたが、内容に不備なく医師の署名もされていることを確認した上で、車を出しました。

AbbottのID NOWを使ったRAPID TESTはNEAR法になるようです。
1点疑問に思ったのは、検体採取は本当に鼻咽頭ぬぐいで行われたのか???
厚生労働省からの指示では、鼻からの検体採取方法としては、鼻腔ぬぐいはNGで鼻咽頭ぬぐいであることはっきり謳っておりますが、私が受けた検体採取は、鼻の奥まで綿棒を突っ込まれた感覚はなく、実際は鼻腔ぬぐいだったのでは・・・?とも感じています。
アプリインストール
厚生労働省のサイトにて、日本入国後に必要なアプリをきちんと紹介しており、もちろん日本の空港に到着後にインストールすることも可能ですが、出発前のスマホへのインストールを勧めております。

スマホを持っていない人は、日本に到着後空港で自費でスマホをレンタルする必要があるんだって・・・
必要なのは以下の4つのアプリ、iPhoneの場合は③の位置情報設定・保存アプリのGoogleMaps等は不要のため、①②④の3つとなります。

私のスマホはiPhoneなので、③の位置情報設定・保存アプリのGoogleMaps等は除き、以下の3つのアプリを、出発前にQRコードからAppleのApp Storeに飛んでダウンロード、インストールも済ませました。
①位置情報確認アプリ(OEL) - インストールのみ
②ビデオ通話アプリ(MySOS) – インストール + アカウント登録
④COCOA (接触確認アプリ) – インストールのみ
①位置情報確認アプリ(OEL)と④COCOA (接触確認アプリ)は、日本入国前にはインストールだけしておく必要があり、後の設定は入国後となるので、出発前にインストールのみしましたが、
②ビデオ通話アプリ(MySOS)は、インストールに加えてアカウント登録ができるので、パスポート番号、生年月日、そして名前をインプットまで出発前に済ませました。

②ビデオ通話アプリ(MySOS)だけど、昔はLineアプリ、その後Skypeアプリになり、5月の後半からMySOSになったので、古い情報をお持ちの方は気を付けてね・・・ ビデオ通話アプリはMySOSだよ!!!
「誓約書」準備
日本入国に際して必要な誓約書ですが、基本以下の5つのポイントを書面にて誓約するものです
- 他者との接触を控えてください。(入国から 14 日間)
- メールを活用して、健康状態の報告をすること。(入国から 14 日間)
- 接触確認アプリと位置情報アプリを利用すること。(入国から 14 日間)
- 保健所等における指示があった場合は、その指示に従ってください。
- 感染防止の観点から次の事項に努めてください。
- マスクを着用する
- 手指消毒を徹底する
- 「3密(密閉・密集・密接)」を避ける
厚生労働省のサイトから所定のフォーマットがダウンロードできますので、私は誓約書も必要箇所を記載し出発前に準備を済ませました。日本への機内で所定フォーマットも配布され、日本到着前迄に準備も可能ですが、出発前に済ませておくと便利だと思います。
質問票回答 -> QRコード
質問票WEBより回答し、QRコードを作成し、そのQRコードをスクリーンショットまたはプリントアウトし、検疫時に提示をする必要があります。こちらの厚生労働省のリンクにて記入・質問に対する回答要領が詳細に説明されておりますが、私は質問表WEBも出発日前夜に済ませて、全ての質問回答後に発行されるQRコードをプリントアウトしました。
氏名、住所、Passport#等の他に、航空機便名、座席番号、日本に入国後2週間の滞在先と連絡先、それに加えて現在の体調等に関する質問もあります。
出発前の空港や機内で質問表WEBに回答する人が多いと聞いておりましたが、私は出発前に回答しQRコードもプリントアウトしました。ただ、空港のチェックインカウンターと出発ゲートの両方で、陰性証明書とこのQRコードの提示を求められましたので、質問表WEBも出発前に済ませ、QRコードのスクリーンショットまたはプリントアウトもしておくことをお勧めします。
その他日本入国に際して必要書類
厚生労働省のサイトや他を含め出発前に調査をした時に見逃したようですが、
成田空港に到着、降機後の最初のチェックポイントで、日本入国に際して検疫所検査で必要な書類が揃っているかチェックを受けましたが、2つ書類が足りないとのことで、その場でフォームをもらい記載したのが以下の2つの書類です。
- 健康カード (過去14日間にCOVID-19の症状があったか等の質問票)
- アプリインストールついての質問票 (検疫法第12条の規定に基づく質問) *成田空港検疫所長宛



これらの書類も出発前に準備してしまうと楽かもね・・・
ただ、アプリインストールの質問票は、羽田空港では羽田空港の検疫所長向けの書類があるんだろうね・・・・
エピローグ
出発前日の6月1日(火)に、外務省が新型コロナウイルス変異株拡大を受けた検疫強化の対象国に米国を含む6か国を「変異株 B.1.617 指定国・地域」に指定し、水際対策措置を強化すると発表、具体的にはこれまで日本入国後3日間の「強制隔離」の対象となっていた米国の4州(テネシー州、フロリダ州、ミシガン州、ミネソタ州)からの入国者に加えて、
私の住むカリフォルニア州を含めた15州(アイオワ州、アイダホ州、アリゾナ州、オクラホマ州、オレゴン州、カリフォルニア 州、コネチカット州、コロラド州、デラウェア州、ニューヨーク州、ネバダ州、ネブラスカ州、メイン州、モンタナ州、ロードアイランド州)が追加されるとのことで、
出発を翌日2日(水) に控えた私は、ただでさえ2週間の自主隔離に不安を抱えており、「3日間の強制隔離?」と狼狽しましたが、良く調べてみると、実施は6月4日(金)午前0時以降に日本入国者が対象となることが分かり、6月3日(木)に日本到着予定の私はギリギリセーフとなりました。😅

1日遅かったらアウトだったね・・・ 運が良かったね・・・
強制隔離は免れホッとしたので、6月1日(火)は仕事も定時で切り上げ、UberのSchedule Rideで翌日の空港迄のRideを予約し、早めの就寝となりました。
この続き、出発から日本入国迄は「コロナ禍米国からの日本入国・帰国 – 米国出発・日本入国編(2021年6月)」として近々アップしたいと考えております。
最後になりますが、これは飽くまでの私の体験記となりますので、また、水際対策措置は状況に応じて刻々と変わっておりますので、近く米国(あるいは他国から)から日本へ帰国・入国を予定されている方は、出発前に厚生労働省サイト等にて最新の情報を確認されることをお勧めします。