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働いていたときより収入が増える(?)、コロナ渦の米国の失業保険

米国の新型コロナウイルス経済対策の一貫である、週$600の特別失業手当支給が先月7月末で終了しました。現在失業手当を受給中、あるいは近々申請を予定している人にとっては、共和党と民主党で協議されている、8月以降の追加経済対策の行方が気になっていることかと思います。

コロナの影響で未曾有のレイオフの規模に失業手当給付が追いつかず、「申請手続きが複雑、電話をしても繋がらない、申請はしたが受給に時間がかかっている・・・」等のニュースを耳にする中、コロナ渦の米国での失業保険と申請方法について調べてみました。   

結論から言うと、あなたが近々失業保険の申請をする予定があれば、事前にお住まいの州の規定を確認し、必要情報を揃えた上で、必ずOnlineで申請を行って下さい。もし、あなたがレイオフの心配をされているのであれば、いつでも直ぐに申請ができるように、準備だけでもしておいて下さい。

と言うのも

  • 複雑そうにも思える失業保険の申請手続きは、実はOnlineでとても簡単
  • 申請から実際の受給までも結構早い
    但し、申請ミスをした場合の質問や修正等で、直接担当者と話すことが容易ではなく、一度問題が起こると、その修正に大変な時間がかかってしまう
  • お住まいの州や失業前の収入次第では、かなりの額にもなり得る(就労時を超える失業手当受給の可能性も有り)
    例え少額でも、貰えるものはしっかり貰らい家計の足しに
  • 金額や期間はまだ未定だが、特別失業手当が8月以降も恐らく継続され、大事な追加収入になる

米国の失業保険(失業手当)

日本では、解雇や自己都合で会社をやめた場合でも、失業保険を受け取ることができますが、米国では「自身の過失によらず職を失う」こと、つまり会社の業績不振等の「会社の都合」でレイオフされた場合のみ、失業保険給付の対象となります。

ですので、仕事のパフォーマンスが悪い等本人に非がある解雇、いわゆるクビや自己都合での退職の場合は、”基本”失業保険は給付されません。

今の仕事が合わないので、失業保険+特別失業手当を見込んで会社を辞め、ゆっくり休みながら次の仕事探しでもしようかな~と考えている人もいたのでは・・・?

新型コロナウイルス経済対策の一貫で、Pandemic Unemployment Assistance: PUAと呼ばれる制度があり、通常の失業保険受給資格を満たさない失業者、事業主、自営業者、独立請負業者も、新型コロナウイルスの直接的な影響により仕事を失った、または著しく減少した場合は、状況により失業保険を受給できますので、該当する可能性がある方はお住まいの州のPUAを確認下さい。

特別失業手当(7月末までの週$600の上乗せ)は、米国連邦政府の経済対策なので全米一律ですが、通常の失業保険の給付額や給付期間は、州によって異なります。失業保険の給付期間は、多くの州で通常26週間ですが、米国連邦政府の経済対策の一貫で、2020年12月末までの期間内との前提で、通常の26週間に加えて州により最大13週間または20週間延長されます。

支給可否や給付額の計算方法も州により若干違いますが、通常は「Base Period 」と呼ばれる、失業前の5四半期のうち最初の4四半期の給与額をベースに、各州の規定に従い算出されます。

通常の失業保険の”最大”支給額が最も多い州はMassachusettsの週$823、一番低いのがMississippiの週$235と、州によって大きな開きがあり、最大支給額の全米平均は週$470となります。ちなみに、Californiaは週$450、New Yorkは週$504、Texasでは週$521です。各州の詳細は、こちらの$aving to Investサイトを参照下さい。

“最大”支給額は?

失業保険の給付額が一番多い、Massachusetts州にお住まいのAさんを例に取り、特別失業手当の週$600が切れた7月末前の、失業保険の給付額を計算してみました。

      Aさんの状況
  • ボストンにある勤め先が、コロナの影響を受け業績悪化。4月初めに会社都合によるレイオフ。
  • 失業前1年の収入は$75,000 (gross)
    -2019年4月−6月: $15,000
    -2019年7月-9月: $15,000
    -2019年10月-12月: $30,000 (annual bonus含む)
    -2020年1月-3月: $15,000
  • 扶養家族の子供が3人。
  • 奥さんも仕事をしている。

  Aさんの受給額(mass.govより)
  • 通常失業手当: 週$823(上限額)
  • 扶養家族手当: 週$75 *Massachusettsでは、扶養家族の子供1人あたり$25支給。
  • 特別失業手当: 週$600(7月末迄)

かなりの金額になり、子供の世話をしていた方が良いような気も・・?

特別失業保険として追加の週$600が支給中されていた7月末前であることが前提となりますが、Aさんのボーナスも含めた失業前1年間の年収$75,000を週あたりに換算すると$1,442。それに対して、Aさんの失業手当は週$1,498となり、金額だけを比較すると、仕事をしていたときより、失業時の方がより多くの収入を手にしていたことになります。

低所得者層においては、「追加の週$600のお陰で働いていたときより収入が増えた」との話は聞きますが、Aさんのような中間層でも、働いていたときより収入が増えるケースがあり得るようです。

現在(2020年8月5日時点)8月以降の追加の経済対策に関して、トランプ政権と民主党の間で協議が行われていますが、週$600の継続を強く求める民主党に対して、共和党が反対し加算額を週$200に減額しての継続を提案しているのも争点のひとつですが、共和党の「手厚い支給が逆に失業者の就職意欲を失わせている」との主張も一理あるかと・・・

失業保険申請から受給まで

失業保険の給付内容と同じように、申請資格も州によって異なりますが、基本は以下が受給の条件となります。

  • 会社都合で職を失い、現在失業中であること
  • 現在求職中であり、直ぐにでも働くことが可能な状態であること
  • 「Base Period 」と呼ばれる、失業前の5四半期のうち最初の4四半期の間の、就業期間と収入が州の規定を満たしていること
    *例えばCalifornia州では、Based Period内の1四半期に$1300以上の収
     入があったこと。または、一番高い給与であった四半期に$900以上
     の収入があり、且つBase Period間の総収入が、その1.25倍($1125)以上
     であることの、何れか一つを満たしていること。

申請方法

Onlineか電話で申請が可能ですが、各州ともOnlineでの申請を強く勧めております。こちらの米国労働省(U.S. Department of Labor)のウェブサイトにて、各州の失業保険サイトのリンクが案内されておりますので、お住まいの州のウェブサイトにて、申請方法に関しての詳細を確認下さい。

California州を例にとると、Employment Development Department: EDDと呼ばれる、雇用開発部門の失業保険申請サイトによると、3つの申請方法があります。

  • Online
  • By Phone
  • By Fax or Mail

コロナの影響で失業保険申請者数が各州とも増大し、対応するスタッフ不足や対応の遅延が度々ニュースとなっております。「朝から100回電話しても繋がらない、3時間待たされた挙げ句電話が切れた・・・」等、申請者の間で不満が増大しており、申請前に必要な情報をきちんと準備し、Onlineで内容に間違いのないよう申請することが、早期に給付を受けるのに不可欠です。

申請にあたっての必要情報

California州では以下が必要とされておりますが、これは他州でも基本同じですので、漏れなく準備をして下さい。

  • Social Security Number (SSN)
  • Name, Mailing Address, Telephone Number
  • Driver’s License or ID Card Number
  • Alien Registration Number and its Expiration Date, if a non-citizen
    (グリーンカード保持者はお忘れなく)
  • Last employer/company information (過去18ヶ月間に勤めた全ての会社)
    -Name of company
    -Federal Employer Identification Number: FEIN) (通常W-2 forms上に有り)
    -Address
    -Telephone Number
    -Supervisor’s name
    -Reason for no longer working with the employer
    (会社都合であること)
    -Period of employment (start date and end date)
    -Wages earned and how you were paid (hourly, weekly, monthly)
    (過去18ヶ月間の四半期毎の情報が必要)

申請から受給まで (California州の場合)

6月末に会社都合でレイオフとなった、California州にお住まいのBさんの実例をベースに、実際のスケジュールも含めて、Online申請から受給までの流れをご紹介します(飽くまでも一例です)。

失業保険申請から失業手当受給まで
  • 2020.6.26
    Bさんの雇用最終日
  • 2020.6.27
    EDDウェブサイトにてAccount作成、失業保険申請
    • Onlineアカウント作成(e-mail、password)
    • EDDからの確認メール受領を確認し、その指示に従いUI Onlineにて必要情報をインプットし失業保険申請。
      事前に必要な情報を揃えていたため、申請自体は非常に
       簡単に済み、40分程度で全ての申請を完了。

    失業手当の受給方法は、自分の銀行口座へのDirect Deposit、Debit Card支給+Cardへの入金、そしてCheckの発行の3種類の内の一つを選択できますが、BさんはDebit Cardを選択しました。

    Checkは郵送となるため紛失の恐れもあり、Direct DepositかDebit Cardの何れかを選ぶのが良いかと思います。ちなみに、Debit Cardから銀行口座へのTransferはNo Feeで簡単にできます。

  • 2020.6.28
    TEXT: ”EDD Alert”受信

    申請受理しプロセス開始の通知

  • 2020.6.30
    E-mail: UI Onlineの正式アカウント登録完了通知受信

    UI Onlineにてステータスの確認や支給額の確認等が可能となる。Bさんの支給額は週$450(上限額)で合計$11,700とのことで、26週間の支給が確約。追加支給の週$600に関しては明記されておらず。

  • 2020.7.9
    E-mail: UI Onlineに新規メッセージが届いているとの通知

    「Certify for Benefits」と呼ばれるUI Claimが必要で、申請後の最初の週となる、6.28(Sun)~7.4(Sat)の状況の確認をするための簡単な質問、例えば、仕事ができる状況にあったか、何かポジションに応募をしたか、スキルアップのためにトレーニングを受けたか等に、UI Online上で全て即回答。所要時間は約10分

  • 2020.7.14
    Mail: EDDからBank of AmericaのEDD Debit Card受領

    直ぐにDebit CardをActivateし、6.28(Sun)~7.4(Sat)分の通常の失業手当$450に加えて、追加支給分の$600をあわせた計$1,050の入金を確認。

    6.27の申請から17日目で最初の失業保険受給!

    思ったより早いですね。追加分の週$600も入金されて、Bさんもほっとされたでしょう。

    各州のウェブサイトを確認すると、州によってもバラツキがありますが、申請完了後2~3週間で失業手当が給付されているようです。

  • 2020.7.21
    E-mail: UI Onlineに新規メッセージが届いているとの通知

    UI Onlineにて、7.5(Sun)~7.11(Sat)と7.12(Sun)~7.18(Sat)の2週間分を、前回同様、求職活動の状況確認の質問に対して、1週間分づつ回答しUI Claimを実施。

  • 2020.7.22
    TEXT & E-mail: Debit Cardへの2回目の入金の通知

    7.5(Sun)~7.11(Sat)分 :$450 + $600 = $1,050
    7.12(Sun)~7.18(Sat)分 : $450 + $600 = $1,050
    *追加支給分の週$600は、7.19(Sun)~7.25(Sat)分を最後に終了
     し、現在(8月7日)共和党と民主党間で、8月以降の追加
     支給に関して協議中。

    California州では、「Certify for Benefits」と呼ばれるUI Claimを、2週間に一度求職活動状況の質問に回答して行う必要があり、失業保険の給付も2週間毎に行われます。毎週のUI Claimを義務付けている州も多くありますので、必ず各州の規定を確認下さい。UI ClaimもOnlineで簡単に出できます。

おわりに

コロナ第2波に揺れる米国では、経済活動再開が中断・制限されており、失業者にとっても、仕事を見つけるのが難しい状況が今後も続きそうです。現在仕事をされている方の中にも、レイオフの心配をされている人も少なくないと思います。

失業保険の申請手続きは、実はとても簡単です。例え少額給付であっても面倒がらず、Onlineで全ての手続きが可能ですので、必要情報を揃え、間違いが無いようにて申請して下さい。給付開始後は、各州の規定に従い、毎週あるいは隔週で忘れずOnlineでUI Claimをして、失業保険の給付遅延や未払いが発生しないようにして下さい。また、通常の失業保険受給資格を満たさない方も、各州のウェブサイトでPUAに関して確認下さい。